便秘症
便秘とは、排便の回数が少なかったり、うんちが硬くて出にくい状態が続くことをいいます。
こどもの場合、排便の回数だけでなく、「うんちが硬い」「出すときに痛がる」「おしりが切れてしまう」といった症状があると、便秘症と考えられます。
乳児期から学童期まで、便秘はよく見られる症状で、多くの場合は生活習慣の見直しや薬物治療で改善します。
症状
便秘のサインには、以下のようなものがあります。
- 排便の回数が少ない(3日以上出ないことが続く)
- うんちが硬く、出すときに痛がる
- 排便時にお尻が切れて血がつく(裂肛)
- お腹が張って苦しそうにする
- 少しずつしか出ず、下着に便がつく(便漏れ)
- 食欲が落ちる、機嫌が悪い
原因
小児の便秘の多くは「機能性便秘」と呼ばれ、腸や肛門に明らかな病気がないタイプです。主な原因としては、
- 食事の偏り(野菜・水分不足、繊維の少ない食事)
- 排便習慣の乱れ(忙しさや恥ずかしさでトイレを我慢)
- 排便時の痛み(硬い便で痛かった経験から我慢するようになる)
- 運動不足
- 生活リズムの乱れ(夜更かしなど)
などが挙げられます。まれに甲状腺機能低下症やヒルシュスプルング病など、器質的な原因が隠れていることもあるため注意が必要です。
当院での対応
まず排便の状態・頻度・生活リズム・食事内容などを詳しく伺い、必要に応じて腹部の診察(触診)や腹部エコー検査でお腹の中の状態を確認しています。
痛みやお腹の張りの程度を見ながら、お子さん一人ひとりに合った治療を提案します。
治療の基本は、「痛くない排便を毎日続けられるようにすること」です。
- 生活指導:朝食後にトイレに座る習慣づけ、水分・食物繊維を増やす工夫などをお伝えします。
- 薬物療法:必要に応じて、安全性の高い便を柔らかくするお薬(酸化マグネシウム、ラクツロース、モビコール®など)を使用します。
- お尻のケア:切れ痔がある場合は、痛みをやわらげる軟膏で治療します。
薬は「癖になる」ものではありません。適切に使うことで腸を整える助けになります。
少しずつ『うんちのリズム』を整えていくことを目指します。
大事なポイント
- 「毎日出ているか」よりも、「痛みなくスッキリ出せているか」が大事です。
- 一度硬くて痛い経験をすると、我慢するようになり、悪循環に陥りやすくなります。
- 水分・野菜・果物を意識して取り、朝は少し早めに起きて朝食後にトイレに行く習慣をつけましょう。
- お薬は「癖になる」ものではありません。安心して使いながら、自然な排便リズムを取り戻します。
- 便秘は「成長・発達」と深く関わることもあるため、乳幼児健診や定期受診での相談も大切です。